■ 宮里酒造のご紹介

「春雨」のお蔵元、宮里酒造は那覇空港から車で10分ほどの市内にあります。周りは住宅地で『本当にこんな街中に“幻の泡盛”をつくりだすお蔵があるの・・・!?』という感じです。お蔵も、ごく普通のコンクリートの建物で、(あまりに周りの住宅に溶け込んでいて)なかなか見つけることが出来ず、宮里 徹専務に迎えに来ていただきました。初めて泡盛のお蔵元を訪問したので、少し緊張してしまいましたが、焼酎蔵も泡盛蔵も良いお蔵はやっぱり同じ!! 麹造りへのこだわり・・・そして蒸留へのこだわり・・・現在は宮里専務が造りの前面に立ち、20代の蔵子3人と4人で造っています。泡盛は離島まで含め46社のメーカーがあります。原料となる米は、政府が輸入したタイ米が原則のため「味の差」=メーカーの力量の差・個性ともいえます。蒸留機の一部や麹棚、蔵の細かい部分に改良のあとがあり、宮里 武秀社長・徹専務の「造り」へのこだわりがうかがえます。このお蔵独特ともいえる「香ばしい香味」「品格を感じるバランスの良さ」は、お二人の努力から生まれたものでしょう。宮里社長は、泡盛の業界では屈指の造り手ですが、(戦後の一時を除き)30年以上「桶売り」(自社ブランドでは出荷せず他の蔵に酒を売ること)をしてきました。一方でお蔵の地下倉庫に貯蔵も続け、30年以上の豊富な古酒(クース)をもつ希有なお蔵元になりました。1978年には、沖縄海洋博に際し「皇室献上酒」に選ばれるという栄誉を与えられ、以来知る人ぞ知る「幻の泡盛」といわれてきました。「何年寝かせるのか、どんな酒質であるべきか、いつも考え求めてきました。原料となる米・蒸留機・麹棚・もろみ等すべての点で蔵独自の改良を加えてきました。」と宮里専務は語ります。この酒造りに対する真摯な姿勢が春雨の高品質・オリジナルな味わいを支えつづけているのでしょう。「泡盛」のみならず南九州の本格焼酎蔵をふくめても考えても、まず屈指の銘醸であることはまちがいありません。また、今回の沖縄サミット晩餐会のため、ブラインドテースティング(目隠し利き酒)が行われ「春雨 17年」は第一位で選ばれ、首里城内で行われた晩餐会で各国の貴賓へ振舞われました。国際舞台でまたしても「春雨」は大きな役割を果たしたなです。百年近い古酒が何甕か現存してはいるものの、なかなか流通にのらず皆様にお届け出来ないことを考えれば、この17年8ヶ月貯蔵の晩餐会酒が屈指の銘酒であると断言できます。